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甘党な愛
第6章 六
「紹介します。俺の婚約者候補の藤咲 椿君です」
「っ……!?」
翌日の正午、都内にある高級フレンチレストランの個室で、私は恵の隣の椅子に座り、理解不能な言葉を耳にしていた。朝普段通り朝食を作り、その後片付け、洗濯を終えると、恵から「またスイーツを食べさせてあげるよ。今日はレストランで」と言われ、喜んでいたのも束の間。
「恵、これはどういうこと……?」
恵の運転する車で店に着き、店員から案内された個室に、見ず知らずの男性が一人椅子に座っていることに驚いた。そしてその男性がテーブルを挟んで、私を冷血な眼差しで睨んでいることにも顔を青ざめた。