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甘党な愛
第6章 六
良く見れば、鬼沢さんも振舞いや仕草が優雅で品がある。品格の違いだろうか。それとも、やはり育つ環境の違い……?一般庶民の私とは放つオーラさえ、天と地の差。
「し、渋い……鬼沢さん……」
首に腕を回されたまま私が呟くと、鬼沢さんが気付いて穏やかに微笑む。
「藤咲君も可愛いですね」
可愛い……?それって男として見てるから、言われてどうなんだろう。素直に喜べない。
「だろ?可愛いよね」
「ふふ……」
恵が一向に私の首から右腕を離さないまま同調すると、また鬼沢さんが微笑みながら頷く。そして目を細めたまま、私の顔を見た。
「ええ、恵とお似合いです」