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甘党な愛
第7章 七
* * *
その晩寝静まった屋敷の玄関で、私はリュックを背負い、ニット帽を被り、マスクをした私服姿で、暗闇の中こそこそと施錠されているドアを開けていた。……もうこんなところいれるか。三人共人間が腐ってるし、アイツらの世話なんかしたくもない。このまま逃げて、もうこの屋敷に帰ってくることもないだろう。
「……」
ドアの鍵を開けると、音を立てないようにドアノブを回しドアを開ける。そして屋敷の外へ一歩踏み出すと、そのまま出て今度はゆっくりとドアを閉めた。