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甘党な愛
第2章 ニ
――翌日。後嶋から指定された時間に教えられた住所へ向かうと、見ず知らずの男からメイド服を渡され、そのまま着替えた。時刻は午後3時。こんな山の中に大きな洋館があるなんて……。2階建てで外装はかなり古く見えたが、中に入ってみると綺麗だ。別荘か何かだろうか。
「今日から新しくメイドになりました。椿です。どうぞよろしく」
一階の広間で、ソファに座っている先程メイド服を渡してきた男へ挨拶をする。……後嶋はいない。それもそうか。あいつは仕事だ。
「葎から聞いたよ。俺は佐倉恵 (さくら めぐむ)。これからよろしく、椿ちゃん」
恵がソファから立ち上がり、こちらへ手を差し出してくると、私も手を伸ばして握手した。