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甘党な愛
第8章 八
「お前、逃げてたんじゃねーだろうな?」
腕を組んで立ったまま、こちらを睨み付けている八雲から聞かれると、布団にくるまりながらびくびくと震え上がる。
「滅相もございません……!」
「じゃあお前が持ってたリュックは何だ?中に着替えが入ってるけど?」
「それは……すぐに汚すから、いつも着替えを入れてて……」
八雲が足下に落ちているリュックを拾って中を見ると、私は咄嗟に思い付いて嘘をついた。夜逃げしていたなんて絶対に言えない。バレたら何をされるか分からない。この秘密は墓場まで持っていく!
「椿ちゃんが夜逃げみたいなことするわけねーじゃん。八雲、疑いすぎ」
恵が私を庇ってくれると、私は何故かほっとした。