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甘党な愛
第8章 八
「まさか、外から鍵を掛けられて……?」
いやでも、そこまでするだろうか。それに、そんな鍵があるとも思えない。でも、ドアが開かないのは事実……。
「……」
そのまま呆然と立ち尽くすと、私は暫く固まっていた。――急にドアノブが回って部屋のドアが開くと、びくっと体を揺らす。
「藤咲さん……」
「後嶋?……何?」
ひょこっとドアから後嶋が顔を出すと、不思議になりながら質問した。すると、
「その……今日はごめんなさい」
「えっ……」
後嶋が謝っている……!あの普段無表情で、無礼で、私をバカにしていて、私に嫌味しか言わない後嶋が!でも何で……。
「悪気はなかったんだ……恵さんを助けたくてしたことだから……」
やはり無表情ではあるが、後嶋が謝っているということに驚いて戸惑った。