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甘党な愛
第8章 八

 後嶋、めちゃくちゃ良いことを言っている。でも後嶋も、今日の出来事の首謀者だ。信用出来ない……。

「そうだね、葎。もう寝ようか。俺達がいつまでもいたら椿ちゃん、寝れないだろうし」

 恵が笑顔で話すと、私は無言で何度も首を縦に振った。早く三人共、部屋から出て行け。寧ろもう来るな。今度こそ、夜逃げしてやる……。

「じゃあね、椿ちゃん、おやすみ」

 恵が微笑んだ後、そのまま三人が部屋から出て行くと、私は静かになった部屋の中でほっと息を吐いた。そしてベッドから立ち上がりリュックを背負って、こそこそとドアの方へ歩いていった。……が、ドアノブを回した途端、背筋を凍り付かせる。

「ドアが開かない……!?」

 何で!?鍵かけてないのに!
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