この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
甘党な愛
第8章 八
後嶋、めちゃくちゃ良いことを言っている。でも後嶋も、今日の出来事の首謀者だ。信用出来ない……。
「そうだね、葎。もう寝ようか。俺達がいつまでもいたら椿ちゃん、寝れないだろうし」
恵が笑顔で話すと、私は無言で何度も首を縦に振った。早く三人共、部屋から出て行け。寧ろもう来るな。今度こそ、夜逃げしてやる……。
「じゃあね、椿ちゃん、おやすみ」
恵が微笑んだ後、そのまま三人が部屋から出て行くと、私は静かになった部屋の中でほっと息を吐いた。そしてベッドから立ち上がりリュックを背負って、こそこそとドアの方へ歩いていった。……が、ドアノブを回した途端、背筋を凍り付かせる。
「ドアが開かない……!?」
何で!?鍵かけてないのに!