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甘党な愛
第8章 八

* * *

 まずい。腹が立ったとはいえ、本気で八雲を怒らせたかもしれない。謝った方が良いんだろうか……。

「八雲さん……」

 朝食の後片付けを終えて広間へ行くと、たまたまソファに八雲が座っていて、緊張しながら声を掛けた。何やら難しそうな本を真剣に読んでいる。何かの参考書かなにか……?

「……」

 無視されて傷付きながらも、八雲へ近寄りまた話し掛ける。

「さっきは、ごめんなさい。言い過ぎたかもしれない……」

「……」

 すると八雲は本から視線を私の方へ向け、冷たく話した。

「俺が更生する為に屋敷に来たって、誰から聞いた?」

「それは……」

「恵?それとも葎?」

「言えないけど……八雲、何で更生しなくちゃいけないの?」

 蛇に睨まれた蛙の様に固まったまま、質問する。



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