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甘党な愛
第8章 八

 同時に思考が停止する。こいつ、何をして……。にやっと笑って、胸くそ悪い。

「やっぱな。お前、処女だろ?」

「う……」

「こうされただけで顔真っ赤。緊張してんのか?」

「うう……」

 呆然として固まっていると、八雲から聞かれて更に緊張した。図星だけど……やっぱり嫌いだ。何で私が嫌がることばかりするんだろう。そんなに私が嫌い?

「性悪男……」

 熱を持つ顔と体。早くなる鼓動。それをお見通しの様に笑んでいる八雲の体を、私は押し退けようとする。すると――

「俺の言うこと聞くって言え。今後何でも俺の言う通りにするって誓ったら、ここをどいてやる」

 メイド服の胸ぐらを掴まれ冷たく見下されると、私は背筋を凍り付かせた。


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