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…愛撫からリベンジ・ドエスまで作品の独り言…
第7章 愛撫①ラストシーンの解説
菜々美は再び歩きだした為に後ろから結城がついてきて彼女の前に回り込む。

追いかけてきてあたしの前に立つのが高瀬さんだったらいいのに…

『俺は間違い電話をかけたはずはない、何故彼と何も話さない?』
そう言って結城が菜々美の肩に手をあてた。

『もう…もう、あたしに構わないで…』

菜々美は手をあげ結城の手をはらいのけようとするが手くびを掴まれてしまう。

『今さら、はい、そうですか――と帰れると思うのですか?』

『…このままじゃあなたを…あなたの事を悪く言ってしまうから…だからっ…』
菜々美の眼から一粒の涙が頬をつたう。

だから帰って!

『言えばいい、俺の事をののしればいい』

『結城さんっ関係のないあなたを…』

『俺は何を言われても構わない――』

『何を言われても?………成り行きで予言に行ってしまったあたしだけど…何もかも恋が上手くいくなんて嘘だらけだわっ!
おまけにあなたに処女まで奪われて…
予言なんて信じない!
あなたなんて大嫌い!』

人々が行き交う街の中だとはいえ菜々美は高瀬の事しか考えられなくて悲しみを結城にぶつけてしまった。

雨は本降りになり2人共に傘を持ってはいない。

結城は菜々美から手を離してうつむいた。

『すまない…すまない菜々美…予言ははずれてしまうケースもあるのかもしれない…だけど…彼への想いは彼に伝わっているはずだ。
悲しむ顔を彼に向けるより恋が実を結ぶよう君は笑っていてくれないか?』

びしょ濡れで頭を下げ謝る結城を許せてしまった菜々美…――


笑っていよう…
雨が降る度に謝る結城さんを思い出すかもしれない…
高瀬さんと恋が実るようあたしは笑っていよう…

『あたし笑ってる――…』

【おわり】

愛撫の先に…①本編に書きたかったエピソードです。
ただし本編のラストシーンにではなく高瀬を諦める前あたりに入れるはずでした。

スーツも髪の毛も濡らし雨の中で結城が菜々美にうなだれて謝るシーンは居酒屋シーンを書いてるあたりから思いついてました。
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