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普通ってどんなの?
第4章 器用貧乏

1年生と3年生は校舎が違うから学校で上矢先輩と会う事は殆どなかった。
私達は付き合ってるのかよく分からないけど、あれ以来、怖い先輩に呼び出されたり虐められる事は無い。
体育祭の時、走り高跳びをしている一生懸命な姿を見て私は初めて上矢先輩にトキメキた。あのキュッと引き締まったお尻が好き。汗が…。
でも、ソレだけの事。常に頭の中に居る訳じゃないし。会えない時間がもどかしいとか、会いたいと思うことも無い。先輩を見るとお腹のしたの方が…キュンとする…只ソレだけ。
プログラムとは関係無く進む陸上競技に、私は自分で思っている以上に熱っぽい視線を送っていたのかな…?
走り高跳びの勝敗が決まって、自分のクラス席に戻るはずの上矢先輩は私のクラス席まで来て、手招きした。私が首をかしげて誰を呼んでいるのかとキョロキョロしていると、ズカズカと目の前まで来て腕の付け根を捕まれた。
そのまま私は、校舎3階に有る今は使われてない第2音楽家迄連れてこられた。ここに来るには、一旦2階に上がり廊下の突き当たりまで移動して別の階段を使わないとたどり着けない、不便な場所。3階には他に、階段を挟んで視聴覚室が有るだけだから廊下が無い。
ココは先輩達のたまり場かな?

