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第1章 サプライズ大作戦（書き下ろし）

「何これっ……うわっ！」

思わず出ちゃった大きな声。
それに、膝がテーブルに当たってガチャンと音を立てる。

「すみませ～ん……でした……」

と言ってみたものの、誰もこちらを見ていない。
食事中ですごくガヤガヤしているし、みんなも美味しいご飯とワインに夢中なんだ……良かった。
私は気を取り直して、チキンも食べてみることにした。

うわ、これも好き……クリームにはマスタードが利いていて、ジューシーなお肉を何倍も美味しくしているみたいだ。

そしてまた、パンを頬張る。
お肉……パン……お肉……。

ああ、もう無くなっちゃう！
夢みたいに美味しいのに……！

夢見心地の私は、いつの間にか目を瞑っていた。

こんな夢みたいなパン、初めて食べたよ……っていうか、私、いくらでも食べられそう。
もう一口しかないけど、もっと食べたいなあ……。

「mademoiselle？(マドモアゼル？)」

ん……？
すぐ近くで男の人の声がして慌てて目を開けると、さっきのやたらと格好いいキャビンアテンダントさんが私の顔を覗き込んでいた。