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キミを愛シテ溺れてる
第4章 *キミを愛シテ溺れてる 2
普段は必要最低限の機能しか使っていないLOINEの使い方を風子に教えてもらっていると、大地が口の前に手の平を当てて近寄ってきた。
「くくくっ……、やっぱり二人はお似合いだねー。僕、からかいたくなっちゃうよ」
「あんまりからかうな。大地も温かく見守ってやれ」
その後、結局余興の練習することなく解散になった。ぶっつけ本番でもなんとかやり切る人たちだから心配はしていない。
海田と大地が帰ってから、頭にホットケーキがのった風子はシャワーを浴びに行った。
髪の毛がバター臭くなって嫌だったらしい。
シャワーを浴びている間に、電子キーボードを出してきて余興で弾く曲の練習をする。
風子にピアノを任せる予定だったけど楽譜すら読めないようで、代わりに俺が伴奏をすることになった。
小さい頃から中学まで習っていただけだから上手くはない。
どんなに頑張っても上には上がいて一番にはなれなくて、やめて中途半端。
色んな習い事をしたけれど、どれもそうだった。
だからこそ、俺はお爺様にとって“失敗作”なんだろう。
長男のくせに弟よりも出来が悪いから……――――
「ソラ先輩」
「ん……?」