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キミを愛シテ溺れてる
第4章 *キミを愛シテ溺れてる 2
「わぁ!漢字、カッコいいね。いいなぁ」
名前の漢字が難しくて馬鹿にする女子もいる中、風子は違う反応をした。
こんなことを純粋に羨ましがってくる。
でもその時は恥ずかしがりながらも嬉しくて、この名前も悪くないなと少しは思えるようになった。
バレンタインデーの時は、父親に頼んでわざわざ家までチョコを届けに来てくれた。
それを見ていた俺の父さんがニヤニヤしながら俺の方に近寄ってくる。
「風子ちゃんから手作りチョコをもらって良かったな。塑羅緒もそういう年頃になっていくのか」
そういう年頃。どういう意味で言っているのかこの頃は全く分からなかった。
もらった物を開けてみると、どこにでも売っているようなハートの形のチョコレート。
そのチョコの上にピンクやホワイトのチョコレートで”そらくんへ。ハッピーバレンタイン”っと文字が書いてあった。
しかも周りはハートだらけ。
恥ずかしいったらありゃしない。
「このくらい三百円で買えるじゃん」