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キミを愛シテ溺れてる
第5章 *キミを愛シテ溺れてる 3
「――――ねえ、乙羽さん。本当は俺がキミの初めての彼氏になる予定だったんだよ」
俺はずっと隠してきたことを遂に打ち明けることにした。
すると、風子は目を見開きながら眉をひそめる。
「えっ……。嘘ですよね?」
「思い出せないかもしれないけど、これは本当のことだから。信じて欲しいんだ」
口約束だから証拠になる物はない。信じてもらうしか道はなかった。
どうしても信じてもらいたくて触れようとすると、風子は一歩後ろに下がって首を横に振った。
「……信じられません!私に過去の記憶がない事をいいように使ってそう言ってるんでしょ」
「違う。事実だよ……」
「自分に都合が悪いからって、またそうやって嘘をつくんですね。
私は絶対に信じません。……だって、私はソラ先輩のことを―――好きになれないんですから」