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キミを愛シテ溺れてる
第5章 *キミを愛シテ溺れてる 3
「ついさっき行ったばかりだろ。大丈夫だって」
「そうだよ。大地くん。もう時間がないから行きましょう」
「鬼畜カップルめー!トイレくらい行かせてよ」
固まるほど緊張している大地の背中を風子と押して連れて行き、練習してきたピアノの伴奏と歌を披露する。
その曲は既存のものではなく海田が先生のために作詞作曲をしたもの。
明るくて優しいメロディで歌詞には感謝の気持ちを込めたらしい。
集まっても練習をサボりがちだったけど、何事もなく無事に終えることができた。
涙脆い先生は泣きながら喜んでくれて、会場からも大きな拍手をもらえた。
二度と部活のメンバーで何かをするとは思っていなかったからいい思い出になったと思う。
余興の練習は風子と自然に関われる機会にもなったし、先生に幸せを分けてもらった気分だ。