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キミを愛シテ溺れてる
第5章 *キミを愛シテ溺れてる 3

照れ臭くて手を繋いで歩く時にまだ指を絡ませていない。

でも今は恥ずかしさよりも好きな気持ちの方が勝って、普通の繋ぎ方から指を絡ませる方に変えた。


これで今までよりは、また少し近づけただろうか。

でも手応えはある。今はもう嫌がりながら俺と一緒にいるようでもないし、見た感じは楽しそうにしてくれている。

作り笑顔にも見えなくて、風子は嘘をつき続けるほど器用な人ではない。

手を繋いでも握り返してくれる。


まだ片思いだけど、四年前から望んでいた幸せがここにあると思うと心が温かくなった気がした。


時間が止まって、ずっとこのまま幸せを感じていられたらいいのに……――――


他愛のない話をしながら夜道を歩いていると、向こうからこちらに向かって歩いてくる男がいた。

それはよく見覚えがある人物だった。

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