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キミを愛シテ溺れてる
第5章 *キミを愛シテ溺れてる 3
「それはあたしがやったの。あんたがやったように見せ掛けるためにね。これ以上、酷い目に遭いたくなかったら金出しなさいよ」
「っ……」
「財布も持ってないなんて言わないわよね?」
風子がスクールバックから出した財布を開ける前に女が奪ってつまらなそうな顔で中身を見る。
「うわ、千円札も入ってないの?この前もなかったじゃない。乙羽さんって貧乏なのね。これならクラス中の皆に財布を盗んだって疑われてもしょうがないわよ」
そう言って財布を車道側に投げ捨てた。落ちた反動で財布から何枚かの小銭が道路に転がる。
「…………うぅっ。お金は明日持ってくるからもうやめて……」