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キミを愛シテ溺れてる
第5章 *キミを愛シテ溺れてる 3
元気がないのが気になって仕方がない。
でも話してもらえない。
次の日、その次の日に聞いても同じ。
どうしたら口を割ってくれるか考えながら、公園で風子のことを待っていた時だった。
「――――あんたが悪いんでしょ!」
何やら女の怒鳴り声が近くから聞こえてくる。
公園の外に出て見ると女子高校生二人が揉めているようだった。
他人事かと思いきや、頬を抑える風子がいて胸騒ぎがする。
何があったのか知りたくなって二人に気付かれないようにそっと距離を縮めた。
怒鳴っていた人は、風子を中学の時にいじめていた女。
俺も中学にいた頃に何回か見掛けたことがある。
ウェーブの掛かっている長い髪に鋭い目つき。いかにも気が強そうだった。
風子と同じ制服を着ていることから、同じ高校に通っていることが分かる。
中学でその女から解放されたと思いきや、この状況から考えて高校に行ってもいじめられ続けていたんだろう。
「私は財布なんか盗んでないよ……」