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キミを愛シテ溺れてる
第7章 大好きなあなたとハルジオンを探して……
これは私が二十歳の時のお話。
色んなことがあって過去に経験したつらい出来事を思い出してしまった。
学校でのいじめに、記憶喪失になるまで一緒に暮らしていた育ての母からの暴力。
閉じ込めておいた心の傷を掘り返してしまい、他人が怖くなって過去に関わった人に触れることができなくなった。
でもこんな私を見捨てることなく愛してくれたソラ先輩のおかげで少しずつ前へ歩けている。
しかし、幸せだった記憶は何も思い出せていない。
何度も必死に頼み込んで、記憶を失う前の私とソラ先輩の関係も教えてもらえた。
友達以上恋人未満の関係だった私たち。
恋もしていたから、幸せな記憶もあるはずなのに……。
「風子ちゃん。今年もこれが届いてたわよ」
庭先に出て戻ってきたお母さんがある物をテーブルに置く。
これも幸せな記憶の一部に関する物なんだろうか……。