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キミを愛シテ溺れてる
第7章 大好きなあなたとハルジオンを探して……
「……もう会うことがないと思っていた育ての母と、会ってしまったんです……」
記憶を失ってから四年も経つけど嫌な記憶が蘇った時に顔まで思い出していた。
私の生みの親は唯子さんではないけれど、物心がついてから一緒に暮らしていたから根強く覚えている。
「話をしたの?」
「してないです。見ただけで怖くて体が拒絶して……。それに、私が話し掛けてはいけないような気がしたからっ……、だから……、っ…、ううっ……」
「そうか……」
悲しくて胸がいっぱいになり、また泣き出してしまうとソラ先輩が落ち着かせるように背中を優しく撫でてくれた。
どのくらいの時間慰めてもらっていただろうか。
やっと涙が止まってきた頃、ソラ先輩がいきなり私の体から手を離して立ち上がった。
「ごめん!そこでちょっと休んでいて!……絶対ついて来るなよ」
「え……。どうしてですか……」
急用ができたのか私を置いて走って行く。
まさか、さっきまで会っていた他の女が来たとか……