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キミを愛シテ溺れてる
第7章 大好きなあなたとハルジオンを探して……
トイレから戻った後、何も聞かなかった振りをして無難な話を続けた。
そしてあっという間に外が暗くなってしまい、別れの時間がやって来る。
「じゃあ、この辺で……。悟さん、今日はありがとう」
「風子が席を外している時に塑羅緒くんから聞いたが、唯子のことでつらい思いをさせてしまって本当に悪かった。謝っても謝り切れない」
「ううん、悟さんが謝らないで。私も今とっても幸せだから。あと…、お母さんに聞いたけど学費……、私を高校と大学に行かせてくれてありがとう」
「それくらいしかできなくて情けないよ。……元気でな」
「うん……。悟さんも元気でね」
涙をこらえて手を振ってからその場を後にした。
連絡先を交換しなかったからこの先、悟さんに会うことはないと思う。
今は家族ではなく他人なんだから私がこれ以上踏み込んではいけない。
「叔父さんと別れて寂しい?」