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キミを愛シテ溺れてる
第11章 真っ白な青春のままで…(ソラ目線)
「海田……」
気まずくなって俯くと、ニヤリと口角を上げた風子が仲直りしろと俺の背中を押してくる。
ついでに海田の方にも頑張れと無言のエールを送っていた。
期待の眼差しを向けてくる風子を見ていると、仲直りできそうな気がしてきて張り詰めていた緊張が少し緩んだ。
謝ろうとした時、海田が先に両手をパンッと合わせながら頭を下げてくる。
「ごめんッ!塑羅緒が風子ちゃんと付き合ってることを知らなくて、勝手に彼女を取られたって怒ってた。風子ちゃんがいるのに他人の彼女を口説くはずないよな……」
「俺の方こそごめん。彼女との仲を険悪にさせてしまって……」
「宮藤ちゃんとは今別れたからいいんだ。冷めてるのかなって前から気付いてたし……。
世の中、男と女しかいないし、視野を広げれば女なんて山ほどいる。次の恋に走るわ」
海田の切り替えが早くて前向きなところは俺にない部分だから尊敬する。
「ふふっ、これで解決ですね。さあ、ふたりとも仲直りの握手をしてください」