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キミを愛シテ溺れてる
第12章 王子様の嫉妬が甘くて激しい愛に変わる時
「ははっ、それは怖いなー」
「美女に一発ぶん殴ってもらった方が目が覚めるんじゃね?いや、第二のトラウマにしかならねーか」
屈んで隠れている低木から頭が見えないように気をつけて私は口元に手を当てて笑いを堪えていた。
ここはキャンパスの裏側だから生徒があまり通らないし、今の話を聞いて殴ってくる女子はいないだろう。
私が一緒にいない時にソラ先輩は海田先輩とこういう話をしているんだ……。
早く会いに行きたいけど、面白くてもっと聞いていたくなった。
「でもさー、風子ちゃんのことを嫉妬させたくねーの?
たまには他の女を利用して嫉妬させるのもいいと思うけど」
他の女……!?
不安が過るワードを耳にした私はヒヤリとして息を呑んだ。
確かにソラ先輩は私に嫉妬させるような行動はしない。
いつも私が勝手に勘違いして嫉妬して困らせているばかりだ。
でも本心は分からないから、海田先輩になんと答えるのか胸がざわざわしてくる。