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キミを愛シテ溺れてる
第12章 王子様の嫉妬が甘くて激しい愛に変わる時
隠れながらじっと見守っていると、可愛い女の子三人組が楽しそうに話ながら歩いてきた。
「ほら、またチャンスが来たぞ。話し掛けてみてからちょっと仲良くなって、帰りにバイバーイってするところを見せて莉乃に嫉妬してもらおう!……行くぞ!」
海田先輩はベンチからすっと立ち上がり、まだ座っているソラ先輩の腕をぐいっと引く。
どうやら女の子に声を掛けるために連れて行くつもりのようだ。
でも腕を引かれてもソラ先輩は顔色を一切変えず、座ったまま立ち上がろうとしなかった。
「やめておいた方がいいと思うけど」
「塑羅緒は行かないのかよ」
「行かないよ。俺は乙羽さんにしか興味ないし、そんな無意味なことはしたくないから」
ソラ先輩……。
もしかして私がずっと前に話したことを覚えていてくれるのかな……。
付き合う前からも、付き合ってからもずっと私のあの気持ちを……――――