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キミを愛シテ溺れてる
第12章 王子様の嫉妬が甘くて激しい愛に変わる時
* * *
大学一年生になったばかりの夜。
私は険しい顔をしてひとりで駅前のお店を見て回っていた。
これから晩御飯の材料を買って行く家に遊びに行く予定だったのに、電話が掛かってきた時にその計画は潰されてしまった。
その電話の相手は彼氏である颯太。
最近、会う約束をしても断られることが多いから寂しい気持ちが膨らんでいた。
「乙羽さん、こんばんは」
偶然にも私の姿を見つけて話し掛けにきたのはソラ先輩だった。
「ソラ先輩もここにいたんですか……。よく会いますね」
「バイトが終わって駅に来たら乙羽さんがいたから。……ひとりで買い物してたの?」
「お家デートをする予定だったんですけど、颯太にドタキャンされたんですよ。だからちょっとお店を見てから帰ろうと思っていたところです」
「ふうん。こんな時間にデートをキャンセルとはねえ……」