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キミを愛シテ溺れてる
第13章 ひと時の青春と禁断の恋
思いついたことを言っても違ったようですぐに首を横に振られる。
でも空いていた距離を埋めるように近づいてきてお姉さんの腕が当たった。
手を繋いで帰っていた小学生以来しばらく触れていなかった温もりが懐かしく感じると同時に芽生えていけない感情も込み上げてくる。
「それより、わたしが大地のことを元気にしてあげたいな。その方がわたしも元気になれるから」
手を重ねられて耳元で妖艶に囁かれた時には理性が壊れ始めていた。
大人になったお姉さんの言動をドキドキしながら待っていると、ゆっくりと顔を近づけられて唇を重ねられる。
掠るくらいの軽いキス。初めてしたというのに涙の味さえ感じることができなかった。
「ねぇ、大地。……気持ちいいことをして一緒につらいことを忘れよう?」
「うん……」
どんなことをするのかも分かっていた。
姉弟でこんなことをするのもダメだと分かっていた。
でも迷いはなかったからお姉さんに導かれるまま禁断の関係へと進んでいく。