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雪の日に祝福を・・・。
第7章 傾くシーソー
混乱しながらもつい目を閉じた。
なぜか素直に目を閉じて口付けを受け入れてしまった。腰を支え頬にそっと手で頬に触れて優しく長いキスを与えられた。
「(いけない・・・)」
頭と心がけたたましい警告音を鳴り響かせていた。
「好き。」
唇を放すや否や甘い囁きが自分に口付けをしていた所から漏れた。
「燵夜、くん・・・・・・」
「はい。」
「き、気の迷いよ。」
自分に言い訊かせるセリフだった。
「え、なんで?」
「私の話しを訊いてたでしょ?それに半月も一緒に暮らしちゃったし燵夜くんは、優しい子だから私に同情してくれてるのよ。
それは、恋愛感情じゃなくって優しさよ。」
完全なる自分への言い訳だった。
「なにそれ!絶対そんなことないから!!」
「お、落ち着いて。」
青年が声を荒げるのを初めて見た。