- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
雪の日に祝福を・・・。
第10章 忍び寄る別れの魔の手
高熱と激しい吐き気に意識が朦朧《モウロウ》とするほどの酷い頭の鈍痛。
「う゛っ・・・
(な、に・・・前よりも、酷い・・・・・・)」
雨の音が響く部屋の中で具合の悪さに意識を手放した。
》 》
大切する本当の意味で大切にされると言う意味も私は、なにも判っていなかった。想いにも色々な形があることを。
結局は、〝誰かに〟守られ助けられているということを。
私は、いますごく実感している。
私の世界は、不平等で回っていてもほんの少しの優しさはあったこと。それは、〝愛する人〟が居ると言う倖せ。
〝愛〟がちゃんと私の中にあったからいま生きて行ける。
《 《
「月依さん、どう・・・かな?」
絵画コンクールの発表会に着て行くタキシードとドレスを選びに来ていた。彼女に初めて着るタキシードを見せる。
「ふふ、似合ってるわ。」