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雪の日に祝福を・・・。
第10章 忍び寄る別れの魔の手
「本当?」
「ええ。
(ちょっと、七五三みたいだけど・・・長身だから着こなせる。)」
笑顔で返す。
「月依さんは?」
試着スペースから顔しか出さない彼女に声を掛ける。
「見せて。」
「お客さま・・・心の準備は、いいですか?」
「??」
なぜかショップの店員たちがザワザワとしている。
「どう?」
「っ!?」
カーテンが開けられ出て来た彼女の姿を見て言葉を失った。
「燵夜くん?」
「うん、綺麗だよ。」
泣きそうになるのを堪える。
「あんまり見ないで恥ずかしいから。」
「大丈夫。凄く綺麗だよ。」
「もう。」
仲睦まじい2人の姿を店員たちは、微笑ましく見ていた。
》 》
届かないことに慣れてしまった。
いまでは、手を伸ばそうとさえ・・・思わなくなってしまった。。。