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雪の日に祝福を・・・。
第1章 手記
「結婚式を、取り止めにして欲しい!!」
「は?」
青天の霹靂とは、まさにこの状況だろう。
「ん?」
「訳は・・・言えない。月依が出した式場のお金も慰謝料も俺が全部払う!だから、結婚式を取り止めにして欲しい!」
「な、に・・・それ。」
平謝りの姿に呆気に取られる。
「コーヒーお待たせしました。」
場の空気を全く読まない店員のひと言で我に返り置かれたコーヒーをぶちまけた。
「熱っ!!」
シャツが染みていくのを見つめていた。
「なにするんだよ。」
「こっちの台詞よ!」
ひと言叫んでそのままカフェを飛び出した。
走っているとすぐに人混みの大通りに出た。立ち止まり空を見上げると予想通り重苦しい雲から雪が落ちる。
今すぐ泣いてしまいたかった。
》 》
人生最大の裏切り。
1週間後の誕生日が初めて輝く日になるハズだった・・・