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雪の日に祝福を・・・。
第11章 結果発表~なごり雪~
あなたも私に、雪を残して行った。私もあなたに雪を残した。
感性の一致が招いた偶然だったのでしょうか。
あの日は、1本の電話から始まった・・・・・・
《 《
受賞作品発表日・・・。
「はい、もしもし。」
忙しい朝の電話ほど厄介なものは、ない。
「若狭さん、先日の検査結果がようやく出ました。医師《センセイ》からお話しがありますので至急いらして下さい。」
「えっ、〝今日〟・・・ですか?」
「はい。すぐにお越し下さい。」
「・・・判り、ました。」
こちらの都合を無視した電話の内容に少しムッとしながら電話を切った。今日は、彼の絵画コンクールの受賞発表があるので色々と忙しく予定を組んでいた。そこに急遽入った用事が厄介極まりない。
「燵夜くん。」
「なに、月依さん。」
「私用事が入っちゃったから悪いけど会場に用事足してから直接行くわね。」