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雪の日に祝福を・・・。
第12章 終わりのハジマリ
病院の表に出てすぐに脇に止まるタクシーに乗って行き先を告げる。
独りの病魔との生活が始まる。
駅に着き最寄りの駅まで揺られる。その後バスに揺られ小さな町に着いた。
トランクと小さな手提げしかない。
すぐに病院へと向かう。
「こんにちは。」
「こんにちは。保険証をお願いします。」
「はい。これもお願いします。」
受付には、主治医の手紙を差し出す。
「お預かりします。すぐにお呼びしますのでお掛けになってお待ち下さい。」
「はい。」
小さな待合室のソファーに腰掛ける。
今日旅立つことは、伝えていない。だから医師もきっと大変だろう。新しい医師も急にやって来た自分に困るのだろうか・・・
「若狭さん中へどうぞ。」
「はい。」
呼ばれて内待合に入る。すぐに診察室へと促された。
「緩和ケアだね。」