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雪の日に祝福を・・・。
第12章 終わりのハジマリ
荷解きもままならない部屋に他人を上げるのは、考え物だったが・・・
「引っ越したばかりで忙しいのにごめんね。」
「いいえ、構いません。」
「病状が悪化したら入院するのかしら?」
「いいえ、ここに居ます。町が嫌ならやめますが・・・」
「嫌では、ないのだけれど・・・それでいいの?」
「はい、病院で死にたくないんです。」
それは、わがままだった。もの凄いわがままだった。
「ご迷惑をお掛けしますが・・・宜しくお願いします。」
「いいえ。私があなたの様子を見に来て構わない?」
「はい。
仕事もしないので暇してますから、いつでも来て下さい。」
笑顔を向けて答える。
保健師は、安心した表情で帰って行った。
》 》
寂しさなどどこかに消えてしまった。第2の別れが私の感情を崩したのだ。