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雪の日に祝福を・・・。
第12章 終わりのハジマリ
ニュースに新作発表の知らせが流れたのだ・・・。
どうやら画家を続けながら父親の会社を手伝うことにしたようだ。
そしてコメントには、然るべきときに会社を重役会と株主総会で選出された者を会社トップに就任させると言う一族経営からの脱却が目標なのだとか。
彼の夢は、終わることなく続いている。失っていくだけの自分と違って彼は、続いていくのだ。
それが唯一の救い。自分の願いは、続いていた。
「燵夜くん・・・・・・頑張ったね。」
テレビの中の彼に労いを向ける。
殺風景の部屋の壁には、受賞したときの新聞の切り抜きが飾ってある。
「あぁ、逢いたいわ・・・・・・」
そう想える相手が自分に出来たことが奇跡だった。呟いて目を閉じる。
》 》
誰にも探してもえなくても彼に逢いたかった。
夢を見せてそして輝きをくれた眩しい存在に・・・・・・