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雪の日に祝福を・・・。
第13章 愛の居場所
人は、〝独り〟なんだって・・・誰かが言っていたっけ。
だから〝独り〟でも構わないって・・・思ってた。そう、思ってたのに・・・その気持ちを2人の男が揺さぶってきた。
1人は、結局〝独りぼっち〟だと思い知らせてくれた。
もう1人は、縋《スガ》りたくなる愛をくれた。
いまでも心の中には、後者の彼が居座っている。逢いたい気持ちが私を蝕んで壊していってもけっして・・・逢ったりしない。
哀れまれるのは、ごめんだ。
《 《
『・・・おはよう、月依さん。』
「おは、よう・・・・・・」
微かに彼の声がする。反射的にそっと挨拶を返す。
「若狭さん気が付きましたね。」
「え・・・・・・??」
声の主は、もちろん彼ではない。しかし覚えのある声だった。
「安藤 医師《センセイ》を呼んできます。」
「〝安・・・藤〟・・・・・・って!?」