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雪の日に祝福を・・・。
第15章 雪が見ていた日々
この日の為に人通りの少ないルートを見付けておいたのだ。
そして昨日は、大忙しだった。意識を失いながらも準備した。
》 》
「ここって・・・」
辿り着いた場所に青年は、驚いた。そこは、大きな総合病院だった。
「いま、妻子が居て今日退院なんだ。」
「そうですか。見送りに来るってことですか?」
「まぁ、落ち着いて。とりあえず俺が話しをしに行くからここで待ってろ。」
「判りました。」
去って行く男を見つめながら病院前で待つことにした。
》 * 》
「いい子ね・・・」
新生児室に入ってゆっくり姪を抱き上げる。早く来たので誰にも見られていない。
小さな命を抱いて別れを告げる。
「生まれて来てくれてありがとう。あの2人を宜しくね。」
柔らかく、暖かく、優しいその存在に涙が溢れる。