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雪の日に祝福を・・・。
第15章 雪が見ていた日々
最近の体調は、悪化の一途を辿っている。
食事が摂れない日々が多くなって点滴をされている。
緩和ケアの所為で常に頭がボーッとしていて考えることも億劫《オックウ》だ。
そろそろなのだと、判った。主治医に話をしたのは、延命を望まないこと。
この後に及んでそんなもの望みは、しない。
「開放感・・・」
町を見渡せる縁に向かう。空を見上げて青空に向ける。
病室の殺風景な場所で永久の眠りに付くなんて真っ平だ。誰も居なくてもいい。そう、初めから〝独り〟だったのだから。
》 * 》
「瑠々!」
「悠葵さん。遅かったのね。」
「悪い。ちょっといいか?」
「なぁに?準備は、出来てるけど・・・」
「月依、来てないよな?」
「〝お姉ちゃん〟・・・?」
「そう、来てないか?」
「来たことないじゃない。」