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雪の日に祝福を・・・。
第15章 雪が見ていた日々
「そうか。みんな来たら待っててもらってくれ。」
「お姉ちゃんに〝なにか〟あったの?」
夫の様子が気になる。
「いいな。みんなを引き留めておけよ。」
「ちょ、悠葵さんっ!!」
走り去って行く夫が理解できない。
》 * 》
「愛されたかったね、月依・・・」
暖かな陽気をが心を穏やかにする。
「もう少し我が儘になればよかったね。」
自分を振り返る。
思えば、両親に我が儘を言った記憶がない。そんなこと言えなかったし言っては、イケないと一歩下がってしまったいた。
我が儘を言えばよかった。子どもらしく・・・もっと言えばよかった。
そうしたら、そう出来たなら〝なにか〟が変わっていたのかも知れない。
「いまさら・・・だよね。」
自分を見つめ返すと笑いが込み上げる。
》 * 》
「燵夜くん。」