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雪の日に祝福を・・・。
第15章 雪が見ていた日々
「月依さん、なんて言ってますか?俺に逢ってくれますか?」
「いいや。」
「・・・そうです、か。」
「逢う逢わないじゃない。」
「え?」
「居ないんだ、どこにも。」
「来ていないって、ことですか?」
「違う。病院に居ないんだよ。」
「あの、話しがよく・・・」
「落ち着いて訊け。本当は、本人に直接話しをさせるつもりだったけど、緊急事態だから俺が話す。」
「え?なんですか?」
男の話しが全く見えない。
「月依は、病気だ。」
「いま・・・なんて?」
それは、思いもよらない答えだった。その話しは、彼女の行動の全てを説明出来る内容だった。
「きっと、屋上に居る。」
「え・・・・・・?」
「行こう。
〝なにを〟やらかす気かは、判らないが行かないと・・・」
それは、元婚約者だからこそ気が付いた彼女の行動パターンだった。