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雪の日に祝福を・・・。
第2章 突然の婚約破棄
「全部着てから決めよう。」
ニコッと笑って立ち上がる。
「どこ行くの?」
「ちょっと電話。」
「早くね。」
「了解。」
出て行く婚約者を見送りながら思わず頬が綻ぶ。
* 》
「悠葵さん。逢ってはなし、出来ませんか・・・?」
「うーん。いまドレス選んでて今日は、難しいな。」
「私。お姉ちゃんと仲直りしたんです。電話じゃなくて逢って相談に乗って下さい。」
「判った・・・。時間作るよ。」
健気な申し出を無下には、出来なかった。
「ありがとうございます。」
「うん、じゃあね。」
電話を切って婚約者の所に戻る。
》 》
妹が毒牙を見せていることなどちっとも知らなかった。
まさか身体を餌にするなんて・・・。私が甘かったのか。
彼の心が一瞬でも余所を向くなんて思いもしなかった。