- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
雪の日に祝福を・・・。
第15章 雪が見ていた日々
ゆっくりと立ち上がり袋を手に持った。
「あなたを、忘れたりしないわよ。」
手に持った袋を掲《カガ》げて呟いた。
ザアァァァッ・・・
風が当たりを包む。
「ね、忘れてなかったでしょ?」
袋の中身の白い紙吹雪が青空といいコントラストだった。
「やっぱり・・・白は、要るものね・・・・・・」
ヒラヒラと雪のように舞う中でゆっくりと車椅子に座り直し空を仰ぎ見る。
「白いわね・・・・・・・・・」
雪の思い出は、もうたくさんなのに想いが私を放さない・・・・・・。
「月依っ!!」
「月依さんっ!!」
「・・・・・・?」
屋上で最期を迎え入れようとしているときに現実に引き戻す声が耳に届いた。
「あらあら。思いにもよらない・・・費とを、連れてきたわね・・・・・・」
ため息交じりに呟いた。