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雪の日に祝福を・・・。
第15章 雪が見ていた日々
「月依、具合が悪いのか?」
病状を理解しているので駆け寄り声を掛ける。
「煩いわよ・・・悠葵。」
重い瞼をゆっくりと上げて答える。
「月依、さん・・・」
「悠葵。なんで連れて来ちゃったの?」
「すまない・・・」
「月依さん、なんでっ!!」
「はいはい。
少し静かにしていてね・・・もう少し、だから・・・・・・」
慌てている2人をゆったりと制する。
「・・・・・・月依?〝なにを〟・・・した?」
「間髪、入れずに・・・来たわね・・・・・・」
「月依、さん・・・」
「久しぶりね、千明くん。」
にっこりと笑顔を向ける。
「月依。〝なに〟、したんだ?」
「全く・・・。奥さんと子どもが今日、退院でしょう?」
「・・・なんで、知って。」
「あのね、私は・・・ずっと、独りなの。」