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雪の日に祝福を・・・。
第15章 雪が見ていた日々
「傷付いちゃた・・・の?」
「月依・・・・・・」
「そうよ。傷付きなさい・・・あなたの、所為なんだから。」
涙を瞳に溜めている男に言う。
「・・・好きよ。」
「月依、さん・・・・・・?」
視線を向けてハッキリ告白をする。
「ごめんね。最期くらいは、好きに・・・させてもらうから。」
「月依さん、逝かないで・・・」
ようやく口に出来たのは、お決まりの台詞だけ。
「ごめん、ね・・・」
「月依・・・逝くな。俺に償いの時間は、ないのか。」
「一生、私を・・・忘れられない、でしょう・・・・・・。それが、あなたの・・・償い・・・・・・。
さぁ、静かにして・・・・・・」
深い呼吸を一つして空を仰ぎ見る。どこまでも続く青い空に放った白い紙吹雪が雪のように自分に降って来る。
「月依・・・・・・」