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雪の日に祝福を・・・。
第15章 雪が見ていた日々
「月依さん、好きだよ。
俺、若狭 月依が・・・世界で1番好きだ。」
呪縛から解き放たれたように叫ぶと彼女の元に駆け寄って手を握る。
「う、ん・・・ありがとう。」
愛しい者から向けられる切ない視線と〝愛〟。もう手放さなければイケないモノ。
「月依、さん・・・」
「さぁ、もう・・・終わりにして。
疲れたの・・・・・・」
握ってくれる手の温もりを感じる。
「月依さんっ、だめだよ!!」
握る。
冷たくなっている手を握るしかない。
「さよう、なら・・・。
(私の、愛し・・・・・・)」
彼を見つめながらゆっくりと、意識を手放した。
叫ぶ声が訊こえる。
舞う白い紙吹雪が見える。
もう、解放される。そう、やっと解放される・・・・・・