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雪の日に祝福を・・・。
第2章 突然の婚約破棄
「すまない。なにも訊かずに別れてくれ。」
人混みの中でも深々と頭を下げる。
「なにがあったの?私のことが嫌いになった?」
「違う。そうじゃない。」
「じゃあ、なんでなの?」
「許してくれ否、許されなくてもいい。君とは、結婚出来ないんだ。」
なにを言われても訊かれても頑《カタク》なに理由を言うことは、出来ない。
「女・・・・・・?」
恐ろしいものだ。愛に疎かった自分にも〝女の第6感〟が備わっていたようだ。
訊いた瞬間にビクッと肩が跳ねた。
「すまないっ!!」
「(否定もしないわけ?)
どこの女?」
「言えない。」
「女が居ても構わないわ。2人で乗り越えましょう。」
驚くほどに冷静な自分が居た。
「それは・・・出来ない。」
「そっちの女の方がイイってこと?」
「そうじゃなくて・・・」