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雪の日に祝福を・・・。
第2章 突然の婚約破棄
ハッキリと答えられない。
口ごもる婚約者の態度になせか恐ろしい言葉が浮かんでしまった。
「まさか・・・〝デキ〟、たの?」
それは、禁断のひと言。言葉に頭を上げて驚いた顔を向けられた瞬間に〝疑念〟が〝確信〟に変わる。
「どこの、女・・・?」
「本当にそれだけは・・・」
「じゃあ、質問を変えるわね。
その女は、私たちが結婚することを知っていたの?」
心臓が弾けてしまいそうなほど早鐘のようにドクドク言っていた。
「・・・知ってた。」
「っ・・・・・・」
世界の壊れる音がした。
「悠葵・・・結婚式が、私にとってどんなに大切な日なのかを言ったわよね? それなのにこんな仕打ちをしたって言うの?」
怒鳴ることなく言えた。
「本当に申し訳ない、と思ってる。ちゃんと慰謝料も払うしなんでもする。目障りなら転職してもいい。」