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雪の日に祝福を・・・。
第2章 突然の婚約破棄
「ははは。結婚式の招待しててミイラ取りがミイラになったわけ。はは、悠葵。あなた・・・本当に私を馬鹿にしてるの?」
哀しみよりも怒りと自分の惨めさに支配される。
「瑠々。上手くやったわね。」
「やめろ。」
「あら、怒ったの?」
妹を擁護している婚約者が鼻につく。
「瑠々。気を付けなさいね。」
「え・・・?」
「簡単に裏切る奴は、次も裏切るから。子どもと2人で路頭に迷わないといいわね。」
「お姉ちゃん・・・酷い。」
「〝酷い〟・・・?
結婚式を1週間後に控えた姉の婚約者を寝取った女がよく言えたわね。
悠葵。別れてあげる。」
「月依・・・・・・?」
「せいぜい、お倖せに。」
そう言い捨てて人混みの中を歩いて行く。
》 》
私は、油断していた。あの恐ろしい敵の存在を・・・
本当に〝油断〟していたのだ・・・。