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雪の日に祝福を・・・。
第3章 予定通りの結婚式
残酷な彼女の事情に初めて触れた悠葵だった。
「食事にしましょう。」
「準備するね。」
その場になどとても居られなくてキッチンに姿を消す。
「さぁ、2人も座って。私も準備して来るわ。あなた、飲み過ぎちゃダメよ。」
「判った判った。」
娘たちを前に終始笑顔であった。
「ちょっと、お手洗いをお借りします。」
やはり彼女が気になり手洗いを理由にキッチンもの前に向かう。
「なんであなたまで来たの?2人だけでことが足りたじゃないの。」
「ごめんね、気が利かなくて。」
キッチンにやって来るなり小言が始まる。
「本当にね。結婚式で〝なにか〟企んでるの?」
「ちょっと。自分の結婚式まで妹に譲った私にそんな言い方しか出来ないの?」
さすがに母の言動に我慢ならなかった。昔なら口答えする気力さえ沸かなかったが・・・