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雪の日に祝福を・・・。
第3章 予定通りの結婚式
「お母さんをどうして大事に出来ないんだ、お前は。」
全くもって理不尽極まりない言葉だった。
「私を大事にしない人たちがよく言う。まずは、私に〝大丈夫か〟でしょう?私の結婚式だったのよ。」
感情が入ってしまう。
「仕方がないだろう。瑠々は、身体が弱いし妊娠もした。未婚の母には、出来ない。
でもお前は、健康だし仕事でもいい地位を貰ってるじゃないか。」
「〝仕方ない〟・・・・・・」
とうとう親の本音を訊いてしまった。
「・・・判った。もういい・・・・・・」
「なにが〝もういい〟んだ?」
「結婚式が終わったら籍から抜けるから。」
それは、ずっと心に決めていたこと。
「勝手にしろ!」
長年〝家族〟に存在して居なかったのだからどう言われようと意思は、変わらない。
止めてもくれない両親に心底愛想が尽きた。